アメリカ市場への挑戦(物流機器②)

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物流業界の自動化の流れ

2007年に二つの重量の採用が航空貨物だけではなく、地上輸送便(トラック、鉄道等)にも適用されるようになり、前回のアメリカ市場への挑戦(物流機器①)で述べた装置の需要がさらに伸びました。

需要の伸びへの対応として装置の処理能力及び精度の向上を図り、さらなる需要に向けて販売展開を積極的に行い満足のいく結果が残せました。

物流の急拡大と人員不足への対応

一方、世界的なトレンドとして、ネット通販量の驚異的な拡大はますます加速。その物流量を処理する能力を持った装置の更なる開発だけではなく、今度は国内外での人員不足に対応することが次の重要課題へ。

日本国内でも、佐川急便、ヤマト運輸、日本通運等をはじめとして人手不足は年々深刻化。

この流れの中では、如何に物流プロセスをスピーディー・正確に処理できるか、自動化できるかが求められるように変化。

特に川上である倉庫内での管理、仕分け作業のスピードUPが急務とされ、倉庫内での作業効率の更なる向上に向け、倉庫管理ソフトの高度化、自動倉庫の採用等が急激に増加。

結果、近年では、倉庫内作業の大部分は自動化され、今までの様な人員が必要では無くなりつつあります。今後は、更なる自動化に向けて進んでいくことは間違いありません。

物流業界以外での新たな潮流

今まで、物流業界における課金と自動化への変遷について述べてきましたが、最近は物流業界以外でも新たな動きが進んでいます。

それは、例えばメーカー、量販店が自己の物流センターを積極的に構築し効率的な在庫の運用、ユーザーへのサービス(質、スピード)の向上の為に物流業務を独自で進めていく動きが生まれてきたことです。

センターは、在庫管理ソフト・自動倉庫の採用が主流。その自動倉庫の運用には、荷物(重量、サイズ)、客先、要望(運送日時、運送の緊急度等)事項のデータの自動入力が不可欠です。

私が過去に手掛けた装置は、当初、重量の定義の変更(2種類の重量)への対応の為に企画・開発したものですが、今では、倉庫管理ソフト、自動倉庫においても各荷物のサイズ、重量データの自動入力が必要な為、結果としてはその用途の方が拡大しています。

今後、物流業界における課金作業、仕分け作業、量販店倉庫での効率的な在庫運用等の必要度が増し、同時に更なるレベルアップした自動化が進むと確信しています。

装置・製品の中長期的用途への探求

このように、当初の目的から、時代の変化に併せ、違った用途での需要に適応させる。そして、使用数を格段に増加させると、更に用途が拡大し、新たな需要の喚起に至る装置・製品もあります。今回述べた装置もこの部類に入るものです。

最後に申し上げたいのは 装置・製品の企画段階で中長期的な用途を予測、考慮した開発をすると息の長い装置・製品が生まれることもあるということ。また、製品自体が新しい需要を生み出すことを自己の経験から大いに実感しています。

ぜひ次世代の皆さんにも頑張って自社の世界に誇れる匠の製品企画・開発、そしてグローバル市場に挑み販路を拡大をしていくワクワク感とダイナミズムを体感していただきたい。応援しています。

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