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アメリカ市場への挑戦(物流機器①)

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物流業界における課金制度の変遷

アメリカ市場に挑戦。今回はアメリカ物流業界の最大手にどのように挑み、最終的には新規に物流機器を納めることに成功したのか、その隠されたポイントについて、実例を交えご紹介します。

アメリカの物流概要

アメリカの貨物や荷物を運ぶ手段は、飛行機とトラックが主流。日本とは異なり、鉄道輸送の頻度は高くありません。

ユーザーが荷物の配達を依頼する場合、普通便、速達便があり、一般的に普通便はトラック、速達便は主に飛行機を使用して配達されます。

旧配送料金の計算方法

その配送料金(ユーザーへの課金(請求)の仕組み)は、長らく荷物の実際の重量に基づき計算されてきました。

もちろん、普通便と速達便との価格差はありますが、荷物の大きさは関係なし。

このため、例えば下記の2種類の荷物の輸送費用は、実際の重量で課金していたために同じ請求額になっていたのです。

  実際重量 大きさ(W)幅 (L)長さ (H)高さ
10kg 20cm 30cm 40cm
10kg 50cm 60cm 60cm

 1990年代のネットビジネスの拡大による物流業界の苦悩

1990年代になると、ネットビジネスが盛んになり、物流量は大幅に拡大。

多くのアメリカの物流業者(DHL,UPS,Fedex 等)がトラック、飛行機のスペースの効率的な活用法を模索。特にスペース単価が高く重量が軽いが大きな航空貨物の取り扱いに苦慮。

飛行機、トラック内のスペース占有率は高いにもかかわらず重量が同じために請求額は同じ(利益率は低い)。物流業者の利益率の低下は次第に深刻な問題となりました。

IATAによる採寸重量の採用

そこで1990年前半、IATA(International Air Transport Association)は、Demmensional Weight=Dim Weight( Volume Weight「 採寸重量」)※航空貨物(Air-Cargo)に限定して認める決断を行いました。

※採寸重量=W x L x H /6,000( 5,000のケースも有る

実際重量と採寸重量の違い

実際重量と採寸重量とは何がどう違うのでしょうか?例を挙げてご紹介します。

  実際重量 大きさ(W)幅 (L)長さ (H)高さ 採寸重量 採用重量
10 kg 20cm 30cm 40cm 4 kg 10 kg
10 kg 40cm 50cm 60cm 20kg 20 kg

重量の採用においては、実際重量と採寸重量のどちらでも物流業者は使用できます。

アメリカ市場への挑戦

採寸重量がIATAに認められて以降、自然と重い重量が採用されることになり、航空便に特化していたDHLなどは、急速に経営状況が改善。

そこで、当時私は海外市場のリーダーとして、重量算出を自動的に行い、且つ、実際の重量、採寸重量の重い方を採用し、ホストPCに提供し請求作業ができる装置の企画開発・販売展開に挑戦。

最終的には、アメリカの最大航空物流業者であったDHL(+Airborne Express,後DHLに買収される)に400台以上の台数を納品。

その後、DHLは利益を大幅に向上させ短期間で投資を回収。この納品した装置は、分かり易く言えば、高速駆動で荷物計量・採寸作業を瞬時に行い、そのデータをホストPC内のソフトで実際の重量、ボリューム重量を変換計算し、重い重量を基に客先への請求に反映させるというものです。

装置の拡販手法

ここでの市場開拓の真のポイントは、たとえ画期的な装置が完成しても、実はその装置単体だけでは海外の客先への販売展開は困難を伴うことが多いこと。

とくに、アメリカにおける物流業者は殆どが巨大企業。

単体ではなくトータルパッケージ(装置、装置前後の他社の装置との連携、客先Hostへのデータ通信ソフト、ユーザーへの請求作業ソフトとの連携等)としての提供が鍵。パッケージだからこそ、客先に対しメリット(自動処理)をしっかりと提案できるのです。

そこで、私の場合、アメリカの物流業界へ長年、種々の装置、ソフトを販売しているエンジニアリング会社をアメリカ市場でのパートナーとして新規開拓・連携。トータルパッケージとして客先へ提供。結果、最終的に上述のDHLへの納品が実現したのです。装置単体がいくら優れていても、その良さを引き出すパートナーが存在しなければ成功しなかったプロジェクトです。

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