日本食レストランのパイオニア
私が初めてアメリカへビジネスで訪問したのは1980年台前半です。その頃はアメリカでの日本食は全く味も、プレゼンもまったく期待でできない状態でした。Benihana USAだけが有ったのを覚えています。1990年代、シスコに駐在しており、東北リコーとビジネス関連が有り、シスコから仙台の東北リコーを何度か訪問し仙台市内の寿司屋を訪問した折、カリフォルニアロールを注文した時、寿司職人がそれは何か?それは寿司ではないと一括されたのを克明に覚えています。Benihana USAは純粋の日本食とは言い難いですが、多くのアメリカ人にエンターテインメント性を加味したうえで、多い気に受け入れられていたと思います、又 日本食が非常に限られた時期には大いに利用させていただきました。
日本食レストランの本物志向へ向けて
2010年代前半にカナダのトロントに駐在し、何とか馴染みの日本食店ができ、10年前と打って変わって、カリフォルニアロールはメニューに加えられていました。寿司という日本の文化的な料理も時代の波に変化をせざるを得ないのかと思いました。日本酒に関しての同様で、当初は酒に防腐剤が多く含まれており非常に不健康な飲み物で私自身もその当時はアメリカでは日本酒は飲まなかったです。その頃の日本食は寿司、てんぷら、しゃぶしゃぶなど本来の古典的な日本食が本物に向かって行った時期だと思います。
日本食の更なる進化
現在は多くの日本食店、特にラーメン店が数多くでき、ミシュランが認めるほど認可されています、NYではとてもおしゃれなスポットになり、デートコースの一つでもあるようです。日本酒も十分、存在価値を誇示し、日本食が大いにアメリカで認知されている状況であると思います。私が80年代後半に初めてアメリカを訪問した時の日本食と現在のアメリカでの日本食レベルは全く違うレベルに進化しています。それは、一つには、多くのアメリカ人旅行者が日本を訪問し、本当の日本食を味わい、其の上で、今までのアメリカナイズされた日本食に更なる進化を加えたものであると思います。勿論、日本で食するレベルのレストランも今ではアメリカには多く存在します。今後は日本食ということに極端に誇示をせずに、自然な形で、日本食レストランが増え、アメリカの文化に更に溶け込んでいくと思います。
これは一般的なビジネスにも言えることで、変化が急激に進んで、且つ 受け入れられている状況であればビジネスは活気を浴びて拡大続けることができると思います。伝統を守ることは非常に大切ですが、根幹を守りながら変化を受け入れていくことが拡大を可能にし多くの人たちに認知してもらえ、結果的には伝統の良さを分かって頂けるのではないかと思います。これは全てのビジネスに言えることであると考えます。
現在、東京の築地近辺に住んでいることから築地の寿司屋で食事をすることが多いですが、カリフォルニアロールも普通に美味しく食べれます。私の推薦の寿司屋は築地場外の八千代寿司です。機会が有ればトライしてみてください。