1980年代後半、ボストンの郊外に駐在し、私の海外業務が始まりました。今回はビジネスではなくその周りの環境に関して話をしたいと思います。
その中で、ヤオハンは私にとって駐在中、掛け替えの無いサポートをして頂いた忘れることができない日系スーパーチェーンです。
ヤオハンは1929年静岡県熱海市で八百屋として創業。創業者の妻は、和田カツ。(ドラマ”おしん”のモデルになった女性です)大切な客先でもありました。本社がある静岡へは国内営業部門と一緒に2度程訪問。一度、和田会長にも面談させて頂き、非常にオーラがあり、素晴らしい人物であった様に記憶しています。
ヤオハンは国内よりも海外、特に日本の駐在員、その家族へのサービス提供を主に主眼としていたように思います。1988年NYのNJのハドソン川沿いに店舗を設け、私も、ボストン郊外から一か月に一度は買い物、観光も含めて訪問したことを鮮明に覚えています。今でも非常に楽しく、その頃は、東京ラブストーリーが流行っていた時期でした。
和田カツの息子である和田一夫氏は、拡大路線を進め、香港に本社を移転。中国市場への拡大を考えてのことだと聞きました。今思えば、彼の先見性は間違いなく、正しかったと思いますが、時期が早すぎたのではないか今となっては思います。中国もその当時は模索の中にあり、政策が変動的でした。彼は時代の流れを先に読み過ぎたのではないか、非常に残念です。
ヤオハンの店舗はミツワと今は名前を変えて現地、駐在員に親しまれています。私の世代にとっては、かけがえの無い店舗であり、これからもヤオハンの名前を忘れることなく、改めて、感謝の気持ちを関係各位お伝えします。有難うございました。