日系企業のメキシコへの最初の挑戦
1994年に最初のNAFTAが発効され多くの日系企業がメキシコの進出しています。外務省「海外在留邦人数調査統計(平成30年要約版)のよると昨年10月時点でメキシコ内で1,200近くの日系企業が稼働しています。又 2014年まで右肩上がりで日本からの投資が増加している(メキシコ経済省外国投資局による)2014年は23億ドル近く直接投資がされていたが、その後、減少傾向になっている。
最初のNAFTAからの動き
最初のNAFTA前は、米国カリフォルニア州との国境沿いのバハカリフォルニア州に日系家電、精密機器メーカーの進出が有りました。そして、最初のNAFTA後は多くの自動車メーカーその関連メーカの進出ラッシュが有りました、特にグアナファト州(日野、マツダ、トヨタ、ホンダ)とアグアスカリエンテス州(日産)に集中して進出が図られました、これは、多くの企業がNAFTAの恩恵で関税免除ぬ加えて、メキシコの安価な人件費を使ってコスト低減をを実行し米国内での競争力を向上させる目的が有りました。
その時期に、東京都大田区の自動車部品メーカーの北米進出の候補地としてメキシコ、特にガナファト州を検証しました、ガナファト州では州政府、会計会社、日系企業会、実際の日系部品メーカーを訪問しました、結果としては進出は見送るべきであるとの結論を出しました、その理由としては:
①人材の継続的な雇用が困難(優秀な人材の獲得合戦があり、少しの優位な条件が有れば働き先を容易に変更する)、特に、優秀な人材は確保が難しい。
②優秀な協力メーカーの数が少なく、米国で探すしかない状況である。
③国、州、郡からの支援状況の整備ができていない、非常に不安定である。
④言葉の問題が有り、ある限られた人材だけが英語でのコミュニケーションができる。
結果としては、人材雇用において不安があり、且つ、協力メーカー(メッキ、溶接、材料等)がない状況であったため、その当時はメキシコ進出は断念しました,、滞在時に日系企業社長会に招待して頂きました、
私が25年前にメキシコを訪問していた頃と比較すると安全面も各段に向上したことも理解しました、間違いなく、メキシコは日本にとって大事なパートナー国になりますが、時期の見極めが大事です。
改訂NAFTAから挑戦の
改訂NAFTAにおいては、メキシコでの人件費の指定(16US$/Hr)は現状から倍以上の人件費になり、結果としてはコストメリットは全くない状況で、且つ、それ以外の状況も改善されていない状況では
果たしてメキシコへ進出するメリットは見出せません。これは、あくまでも、販売市場をアメリカに設定している場合です、南米をターゲットにする場合は。メルコスールでの関税免除があり引き続きメリットはあると考えます。
しかしながら、アメリカ市場をターゲットにする場合は、やはり、現時点では、アメリカへの進出をお勧めします、その場合は、是非、弊社にご相談ください。