プロフェッショナルズの重要性
海外進出に向け、現地の頼れるパートナー探しは重要。パートナーとの連携の良さ、深さで進出の成功如何が大きく左右されることも多いため、慎重に選択をした上で、協議をスタートしてください。
海外進出先における主な現地のパートナーとしては下記が挙げられます。
州政府協会・会計事務所・弁護士事務所・物流関連企業・不動産関連企業・既存ユーザー・潜在ユーザー・リクルート関連企業等
今回は、進出先の弁護士、会計事務所を選択する時に留意するべきポイントについて、私の経験も交えつつご紹介します。これらプロフェッショナルズとは、進出した場合、長い付き合いになり、現地会社の命運を担う局面には何かと大きな助けとなる重要なパートナーです。
北米(アメリカ、カナダ)の場合、日本と比較にならないほど多くの訴訟案件が日常茶飯事的に発生します。従って、不注意に案件を処理してしまうと訴訟問題につながるケースが多々有ります。
また、一方で、会計業務に関して慎重に処理を行うことは勿論ですが、当局の監査が入ったときに慌てることがない様に常に準備をしておかなければなりません。監査は会社の規模に関わらず無作為に実行されるので、自分の会社は規模が小さく、現在のところ利益も余り出ていないので、大丈夫だろうなどと、あまり安易に考えない方がよいでしょう。
ご存知のように、アメリカにおける税制は国単位(Federal)ではどこの州でも同じですが、州単位(State)での税制は州ごとに違いますので気を付けてください。
進出先の法律や会計業務をしっかりと行うことは、もちろん海外ビジネスを進める上での大原則として重要。もっとも本当の意味でのプロの弁護士(Laywer)、プロの会計士(CPA)をパートナーに選び、しっかりと守りを固めつつも、自己の会社の発展(攻め)に注力ができるような体制を整えることが非常に重要です。
プロフェッショナルズの選択のプロセス
プロフェッショナルズのパートナーである弁護士、会計事務所の選択のポイント
下記のような大手事務所は中小規模の会社の場合は将来的にはお世話になる局面はあるものの、最初はローカルのプロフェッショナルズからスタートすることをお勧めします。
弁護士事務所:Baker & Mackenzie(シカゴ)、DLA Piper(ニューヨーク)、North Rose Fullright(ニューヨーク)、Jones Day(ワシントン)、Hogan Lovells(ワシントン)、Latham & Watkins(ニューヨーク)
会計事務所:EY(Ernst&Young),Deloitte(Deloitte ToucheTohmatsu),KPMG,PWC(PricewaterhouseCoopers)
これらの事務所は世界的に名の知れた、非常に優秀なプロの集団です。しかし、主な対象は巨大企業、大企業向けで、個々の内容に専門家が細かく分かれおり、信頼関係を築く為には多くの時間と費用が必要です。価格は常に高額で、担当のレベル、ポジションにもよりますが、最低でも300-500ドル/時間の費用が必要です。これは、電話で相談をする場合、資料を作成してもらう場合にも請求が発生するケースが多いです。
会社が位置する地域に根差したローカルな弁護士事務所、会計事務所をまずパートナーにすることから始ましょう。州によっては、法務、会計関連の法律が違うため、進出先となる州の法律を熟知し州の営業免許を持っているプロフェッショナルズに相談するルートを確保。他州が関連している問題が発生した場合は、担当の会計士、弁護士が他州で認定を受けているプロフェッショナルズと連携して解決してくれます。
プロフェッショナルズの選択は会社の状況で変化要
私の場合は、ローカルのプロフェッショナルズからスタートし、規模が少し大きくなり、問題が複雑になったので、日々の相談先は今までの弁護士、会計士を継続。其の上で、問題の種類別に専門家を有している会計事務所、弁護士事務所と契約をしました、例えば、人事、労務関係においてアメリカ、カナダでは多くの訴訟が発生しますので、その専門分野に強い弁護士事務所を使い、会計において国税関連の監査が入ったときは、その専門家を有している会計事務所を使いました。これはスポット契約で進めることは可能です。ローカルのプロフェッショナルズは、地域の専門領域における幅広い知識・経験を幅広く有していることが多く、日々の相談、処理等に関して頼もしいパートナーとなるでしょう。州によっては、ローカルのプロフェッショナルズ事務所においても日本人スタッフを有している場合がありますので、州政府とよくご相談ください。