日本の自動車部品メーカーのアメリカへの進出そして挑戦【海外ビジネス事例④】

目次

自動車部品メーカーの実態

自動車部品メーカーのアメリカ進出の過去の流れと今後進出を検討する際に抑えるべきポイントをご紹介。

北米での日系自動車メーカーは、多くの日系部品メーカーに支えられています。自動車メーカー、Tier1部品メーカー、Tier2の部品メーカー、Tier3の部品メーカーのピラミッド構造になっています。各部品メーカーは自動車メーカーとの資本提携をしているところと、していないところがありますが、多くの部品メーカーは独立資本で運営。過去には多くの日系部品メーカーが日系自動車メーカー、日系Tier1メーカーからの依頼によりアメリカに進出。

日系自動車メーカーがアメリカ進出する場合、多くの部品メーカー、日本食レストラン、工場のケータリングサービス等、様々な企業も大挙してアメリカへ進出。

自動車部品メーカーの現状

トランプ政権の設立により、アメリカでの生産を実施している日系を問わず、外資系の自動車メーカー、部品メーカーにおいて現地での部品調達率を高めていくことが必須になってきます。ローカルコンテンツを重視しながら、日系自動車メーカーは如何に部品現地調達率を高めたうえでの日系であることを認識しつつ、アメリカメーカーであることをアピールしていくことが重要になります。

日系Tier1部品メーカーの多くはアメリカに工場を有しており、Tier2部品メーカーに対して、現地での生産及び供給を要望していますが、Tier1部品メーカーの自己の経営を考えればTier2の部品メーカーにはアメリカ進出は依頼、お願いしたいが、経営の保証まではできないのが実情。

基本的には部品メーカーの難しさは、如何に現地の協力加工メーカー(メッキ、溶接、塗装等)、材料メーカーを見つけるかが大きなポイントになりますが、日本でお付き合いのある協力メーカーと同等の品質、納期、価格を現地メーカーから獲得するのは至難の業であると言っても過言で無いほど、難しいです。

新規の顧客確保

従って日系Tier2部品メーカーとしては、中長期的な現地での健全経営のため、既存客先である日系客先Tier1に加えて、新規の客先を現地にて開拓、獲得が必須です。

例えば、ドイツ、フランス、中国、韓国の自動車メーカーへ展開している外資Tier1部品メーカーへの営業活動です、この営業活動は簡単ではありません。既にサプライヤーが存在し、且つ、新たにサプライヤーを探していない状況下で営業活動をするので、客先に対して価値のある提案、検討する価値のある提案をしなければ相手にされません。根気強く中期的に攻めていくことが肝心です。既存の日系Tier1客先に加えて新規のユーザーとのビジネス構築が将来できない場合はアメリカへの進出を再考するか、縮小する必要が有るかもしれません。工場進出は土地、設備、人的等への投資が極めて大きく、一旦、進出をした後での撤退には多くの労力、費用が必要で、基本的には後ろ向きな出費です。その結果、会社の信頼は著しく低下することは間違いないので、最初の段階でとにかくに慎重に進めてください。

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