アメリカ進出の新たな手法②

研究開発

先回①の最後に申し上げた技術革新、新規ビジネスの提案を如何に進めていくかを具体例も交えて説明していきます。

1.どの分野に将来を見据えていくかの選定

多くの優秀な中小企業、小規模事業者は現状製品(部品)供給の延長線上には現状維持は有るものの、将来に向けての光は見いだせないと認識していると思います。

従って、現在の製品(部品)から少し離れた、但し関連性が有る素材、材料等の研究開発、新規技術の共同研究、言い換えれば他社がまだ手掛けていない分野へ力を注いでいくことで、現在のベースビジネスに加えて、将来、相乗効果を生み出していくことだできると考えます。その上で、技術特許を取得し米国の会社と技術提携をする、或いは研究開発した技術を基に、米国で生産活動に入るか、様々な選択肢から主体的に方向性を選べることができる利点があります。

2.大学・研究機関との提携

米国には多くの優秀な大学(私大)があり、優れた企業(企業の規模ではなく、どのような技術力、情熱を有しているかが最も重要です)と学術だけではなく将来のビジネスに向けての連携・拡大をしていきたいと考えています。大学にはそれぞれの大学において得意分野が有り、その分野において実績を積み重ねています。その上で貴社において得意分野、現在研究開発中の課題、或いは将来において進んでいきたい分野、領域を十分に検証されて上で、どの大学、研究機関との連携が正しいか選択していきます。

3.具体的な事例

自動車部品メーカー様の具体的なケースをご紹介します。そのメーカー様とは、数か月の協議を重ねた結果、当初、日本で生産している部品を米国においても生産を行う予定でしたが、前述のように利点が見いだせない状況(コストメリットが見込めない)となったため、発想の展開で、思い切った方向転換をしました。この会社の主力は、将来、別の業界でも大きな需要が見込まれるものの、分析・品質継続維持の面で課題がありました。そこで、米国において、当該分野・内容を共同で解決していける大学、研究機関との連携・提携を模索することとなり、下記のようなステップを踏みました。

①大学・研究機関の選定:対象分野の分析・検証・品質保持に協力ができる。対象分野に幅広い経験を持っている。日本企業との提携に前向きである等の要望を満たしている。

②全米の大学・研究機関を検証

③対象大学へのアプローチ

州政府と協議をした上で、対象大学へコンタクトを行い、その上で、適切な部署・部門の紹介を受け交渉を開始。相手方の意向を確認、共同研究におけるバイブルであるMASTER Agreementの作成合意を数か月の交渉の上、具体的な共同研究の内容(技術的な内容・研究分担範囲・費用・期間)の合意を得たうえで共同研究の開始を行う運びとなりました。

④研究拠点の設置

研究拠点については、協同事務所(シェアー事務所)の賃貸により米国法人の住所として法人登録。(賃料は年間で約$500前後)登録後は、対象大学と研究開発を開始。その後の工場設立や研究開発拠点の拡張も、対象大学や州政府と連携しつつ、用地や雇用の獲得、助成金等の取得等を進めていくこととなりました。

4.弊社からのサポート

①共同研究の内容により適切な大学・研究機関の設定が可能です。

②米国各州政府(インディアナ州、オハイオ州、バージニア州、テキサス州、ジョージア州、サウスカロライナ州等)との深いパイプにより上記①だけではなく、適切及び最大限の助成金獲得も対応可能です。

③各州の優秀な弁護士・会計士とのパイプにより、契約交渉がスムーズに進みます。

以上ですが、是非、貴社の無限大の可能性の追求に弊社の力を使わせてください。

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